皆野病院

〒369-1412 埼玉県秩父郡皆野町皆野2031-1

診療科・部門案内

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神経内科

当科の特徴・特色

神経疾患には、変性疾患、脳血管疾患、脱随疾患、神経免疫疾患、神経感染症、筋疾患、末梢神経疾患、腫瘍性疾患、てんかん、頭痛などがありますが、当院では内科疾患の方が不自由な動きや痛みや痺れや思考能力の低下や意識の一過性低下が生じた時、受診されることが多いです。

それらの症状に対して①握力計や動作を誘導することで筋力を診たり、②打腱器で腱反射が正常か運動神経の障害部位や障害の状況を診たり、③やわらかい筆等で感覚の障害部位を明らかにしたり、④血圧計脈拍も測れるパルスオキシメーターで寝た状態から起きて自律神経の反応を見て評価したり⑤頭部や脊髄のMRIから脳脊髄疾患の有無を見たりします。

さらに病歴をくまなく伺い、病歴の中から関連する病態を解明し、診断治療を行います。さらにこの病態から生じるであろう潜在的症状や病気の有無を判断し治療・予防に結び付けます。さらなる精査や他の複雑な疾患との関係を調べる時は大学病院や国立精神神経医療研究センター病院や日本赤十字の病院等に紹介します。

今までに紹介したのは埼玉医科大学附属病院や埼玉医科大学国際医療センター病院や私が学んだ順天堂大学医学部附属病院や国立精神神経医療研究センター病院や都立神経病院(多摩総合医療センター)や深谷赤十字病院等その他疾患に合わせて専門的に行っている専門病院にご紹介しています。

神経内科専門医が診ておりますが、脳血流や脳代謝はPETが必要です。疾患ごとに専門性を生かす病院への紹介ができることも当院では診察に総合内科+神経内科専門医が行っている強みと考えて下さい。また他の病気で入院が必要になったらいつでも救急外来から入院できることも地域に根ざした病院である当院の特徴です。(入院後も神経内科医が診察継続して必要時対応しています。)

地域で困っている問題への対応も私たちの課題です。当科が関係している課題は①高齢化で増加する認知症対策 ②中年以降増加する生活習慣病の脳卒中の予防・再発防止 ③案外多いパーキンソン症状を抱えた方への診断治療です。

課題①

認知症の代表的疾患であるアルツハイマー病はアミロイドが病的に蓄積されて発症しますがこれを同定するPIB-PETは保険の査定ができないので湘南厚木病院で研究的に行っていた時期に当院でも希望者が検査に行ってもらいました。

今はその経験が生かされていますが、さらに保険でできる心臓の123I-MIBGシンチグラフィーで他の認知症疾患の除外等から更に診断は高まります。ただ現在認知機能を改善するリハビリや薬はあっても病気の進行は抑えられません。

まず下記の図(物忘れと関係がある病気の分類)のような認知症に関係する他の病気を鑑別し患者によいことを行い、認知症の6割以上を占めるアルツハイマー病という現在最新の治療でも根治困難な病気を少しでも悪化させないように介護保険サービスや当院のリハビリテーション科に協力を求め家族の負担を減らすように対応します。

課題②

脳卒中で以前多かった脳出血は高血圧対策が一番ですので脳梗塞対策に集約されます。特に脳出血後は降圧剤内服している方が多いので血圧正常化すれば次に起こるのは脳梗塞です。脳梗塞の予防には抗血小板薬を精査せずに内服するのはいい手ではありません。MRIで微少出血がある患者やMRAで脳動脈瘤がある患者は抗血小板薬の内服で脳出血の危険があります。MRIで虚血性白質病変があっても精査が必要です。

以前無症候性脳梗塞の既往・高血圧・脂質異常症・ストレス多い生活・慢性腎臓病・高尿酸血症・脱水(飲水量低下)傾向・超高齢・高ホモシステイン血症・心臓内に血栓を生じるような不整脈・心臓―大動脈―頚動脈起始部に動脈硬化であるプラークの存在等を精査・鑑別して早めに投薬や指導・リハビリで対応して生活習慣を改善することが重要です。

課題③

パーキンソン病は1817年に振戦麻痺としてパーキンソン先生により発表された神経変性疾患で、認知症ではないまれな疾患として世に出ましたが今は10万人あたり150人前後いらっしゃいます。

当院でも脳卒中や脊髄疾患として外来で診察していた方に特徴的パーキンソン病の2-3徴候が発症してその後診断がついた患者もいます。(転棟等の姿勢調整障害は遅れて発症するため4徴が初めから生じることはありません。新しい診断基準はさらに細かいので詳しくは診察で)パーキンソン症状を生じる脳血管障害や薬剤性パーキンソン症候群やさらに難病の多系統萎縮症や進行性核上性麻痺や似たような歩行障害を生じる正常圧水頭症*等がありますので病気の診断は経験の基づく専門的検査や診察が必要です。

また難病と判ったら日常生活レベルに合わせて難病申請して高額な治療となってもカバーできるようにします。

担当医の紹介

伊藤 敬
毎月第2・第5土曜日 午前診・午後診
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