皆野病院

〒369-1412 埼玉県秩父郡皆野町皆野2031-1

診療科・部門案内

診療科・部門案内

リハビリテーション室

リハビリテーション室の紹介

病気や怪我に負けない 生き生きとした豊かな生活を援助します。

今やリハビリテーションは治療のひとつに含み考えられています。私たちリハビリテーション室は、理学療法(PT)、作業療法(OT)と言語聴覚療法(ST)の3部門で構成され、治療のステージに合わせて急性期から生活期における様々な心身機能の回復に向けたリハビリテーションを提供しています。

リハビリテーションとは、障がいを持つ方々が住み慣れた場所で、生き生きと豊かに生活できるよう援助することを意味していると考えています。

そのためさらに私たちは、その人個人の機能回復という面だけでなく、その地域社会で、その人がその人の人生を歩んでいくのにどのような支援を必要としているかを見据えて、医師・看護師・医療相談員・ケアマネジャーほか病院スタッフと話し合い、個人の生活スタイルに合った家庭復帰・社会復帰のために最も良い方法を検討しながら、リハビリテーションを行っていくことが大切だと考えています。

基本方針と役割

基本方針

  • 地域に根ざした総合的なリハビリテーションを提供する
  • 患者様主体の責任ある親切なサービスを心がける

役割

  • 他部署との連携を図りながら早期から安全かつ積極的なリハビリテーションを提供し、早期退院とADLの向上を目指す
  • リハビリテーションを通して退院後も安心して家庭生活が行えるよう支援する
  • 地域へのリハビリテーション医療の普及に努め、介護・福祉と連携した予防医療を提供する
  • 院内外に対してリハビリテーションの啓蒙を促し、健康的な生活に貢献する

業務内容

入院及び外来の急性発症の対象疾患を中心に、医療保険でのリハビリテーションを実施していきます。例えば、病気や怪我によって動かしづらくなった身体の動きを取り戻すために、弱くなった筋肉を鍛え直したり、硬くなった関節をほぐしたり、基礎的な運動から出来なくなってしまった動作の練習をしていきます。

リハビリテーションによって回復してきた動きは、日常生活で使う様々な応用的な動作へと取り入れていきます。また、口や顔などの繊細な動きについても評価し、安全に食べ物を飲み込めるような工夫や、ことばの発音がはっきりするようなリハビリテーションを実施します。

リハビリテーションの基本手順

情報収集
疾患および医学的情報を把握し、訴えや希望、生活環境などをお聞きします。
検査・測定(評価)
運動機能では関節可動域検査や徒手筋力検査、簡易上肢機能検査、日常生活動作(ADL)の評価のほか、認知機能では長谷川式簡易知能評価スケール、標準失語症検査、脳卒中ドライバーのスクリーニング評価などの必要な検査を行います。
また、生活場面の各動作をどのように行っているか、1人でできるか、介助が必要かなどを調べていきます。
問題点の抽出
情報収集や検査・測定で得られた情報を整理し、活動を制限している要因を抽出していきます。
ゴール設定
抽出された問題点を解決するために、疾患の現状や予後、及び生活環境なども考慮した目標を設定します。
プログラムの立案及び実施
目標達成のために必要な治療種目や内容・量などを具体的に立案し、その時の体調に合わせて実施していきます。

理学療法部門

日常生活の中での基本的な動作(寝返り、起き上がり、座位、歩行等)の改善を早期から図り、生活の質の向上を目的に実施していきます。また、急性期(病気や怪我の直後)から行っていくため、安全にリハビリテーションが行えるように医師と連携し、体調を管理しながら理学療法を実施していきます。整形外科領域のリハビリテーションでは、手術前後の呼吸・循環機能への機能改善も提供しています。

作業療法部門

様々な疾患の患者様の日常生活における動作(食事・更衣・排泄等)の改善や維持を図っていきます。生活環境に着目して、心身の各機能と実際の活動に合わせた自助具の提案などについて、ご本人やご家族の方へお伝えしていきます。また、疾患によって起こる認知機能・高次脳機能の評価を実施し、生活のしやすさに配慮した助言等も行っています。

言語聴覚部門

脳血管疾患のほか、様々な疾患から起こる摂食嚥下機能や言語機能の問題に関するリハビリテーションを実施していきます。安全な食事摂取ができるように、VF(嚥下造影検査)・VE(嚥下内視鏡検査)といった嚥下機能の専門的な検査や、言語聴覚士のマンツーマンの摂食嚥下訓練だけでなく栄養面についても各職種と連携を図ったチーム医療を推進しています。

リハビリテーション対象疾患

事故や転倒による骨折や靭帯損傷、筋・腱損傷を負った方、脳卒中により身体に麻痺が起こった方、治療中の安静により日常生活の動作が難しくなった方などです。以下の表は、リハビリテーションの実施が認められている疾患の一例です。
医療保険制度における診療報酬改定により、リハビリテーションの実施可能な期間や疾患には制限が設けられています。

疾患別分類対象疾患
脳血管疾患等リハビリ脳梗塞・脳出血・脳腫瘍・脊髄損傷・多発性神経炎・末梢神経損傷・パーキンソン病・ALS・脊髄小脳変性症など
運動器リハビリ骨折(体幹・上下肢)、四肢の切断・上下肢の(骨・筋・腱・神経・血管といった複合損傷)・関節の変性疾患・関節の炎症性疾患、熱傷瘢痕による関節拘縮など
呼吸器リハビリ肺炎・無気肺その他の急性発症した呼吸器疾患・肺腫瘍・胸部外傷その他の呼吸器疾患またはその手術後、慢性閉塞性肺疾患などで一定以上の重症の呼吸困難や日常生活能力の低下をきたしているもの
がんリハビリ入院中にがんの治療のための手術、骨髄抑制を来しうる化学療法、放射線治療または造血幹細胞移植が行われる予定または行われたもの

運動療法機器・物理療法機器の紹介

治療台・平行棒・平行支持台・歩行器(各種)・重錘バンド(500g~5Kg)・鉄アレイ(1kg~5.5kg)・セラバンド・肋木・傾斜台・自転車エルゴメーターなどを設置しています。

物理療法では、頸椎・腰椎牽引のほか、超音波治療、低周波治療、マイクロ波治療、ホットパック、パラフィン浴、渦流浴など、機器を使用した電気療法・温熱療法で、疼痛の緩解、循環の改善、リラクゼーションを図っていきます。

リハビリを希望される方へ

当院に通院されていない方

当院の各科外来に受診してください。症状により医師の指示のもと、リハビリテーションが開始されます。(このとき、リハビリテーションを受けられる疾患や期間に制限が設けられていますので、詳細はリハビリテーション室までお問い合わせください。)

外来通院中の方

外来各科医師にご相談ください。適応となる場合、リハビリテーション室に指示が出されます。内容や頻度、時間については医師の指示に基づいて、担当療法士と調整して決めていきますので、希望がありましたらご相談ください。外来リハビリテーションは通常午前中に予約制での実施となります。

入院中の方

必要に応じ各科医師からリハビリテーション室に指示が出されます。内容についても医師の指示により実施されますが、家に帰るにあたって必要な動作や日常の習慣、家屋の特徴などについて遠慮なくご相談ください。

スタッフ構成

  • 理学療法士:6名
  • 作業療法士:1名
  • 言語聴覚士:1名

よくある質問

リハビリはいつから始めたらいいの?
近年は受傷後早期に開始します。例えば入院翌日にリハビリテーションを開始する場合や、手術翌日にリハビリテーションをできる疾患が増えました。早期に開始することで、2次的合併症を最小限に抑えることができ早期回復が望めます。
理学療法と作業療法どちらにかかればいいの?
症状によって医師がいずれか、または両方に指示を出しますのでご安心ください。
大きな分類では起き上がり、立ち上がり、歩行といった基本動作を理学療法が受け持ち、箸を使うとか字を書くなどの手作業を作業療法が受け持ちます。
リハビリは痛いの?
現代のリハビリテーションは、痛みを与えないで実施することが基本とされています。
当院でもこの基本に沿ってできるだけ痛みの少ない方法で実施しますが、時に越えなくてはいけない痛みもあります。
危険な痛みや我慢しなくてもよい痛みもありますので、随時状態を確認しながらご説明いたします。
マッサージはしてもらえますか?
マッサージを治療の一部として使用することもありますが、一般にいわれるマッサージのように肩こりや腰の張りにするようなマッサージのみの実施はできません。
運動療法その他との組み合わせにより、動作能力の改善に有効な場合に用いられることがあります。
事前に準備するものは?
動きやすい服装と、靴をご用意ください。スリッパや草履での歩行は転倒の危険が高くなりますのでご遠慮ください。ただし怪我やむくみで靴が履けない場合には、靴以外でもリハビリテーションをすることが可能です。
受傷・発症前に使用していた、杖・歩行器・押し車等有りましたらお持ちになってください。訓練時に使用します。
リハビリの開始時期は?
午前中は9時00分に午後は1時00分にリハビリテーション室が開きます。
午前中は入院患者様・外来患者様、午後は入院患者様が対象となります。
リハビリ外来予約の変更はできるの?
電話での変更は可能です。都合が悪くなった場合お早めにご連絡いただければ調整を行えます。
その際はリハビリテーション室にお電話ください。
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