院長 猪野屋 博

 皆野病院 院長  猪野屋 博

このたびご縁があり、令和8年4月1日より皆野病院で勤務することとなりました脳神経外科医の猪野屋博と申します。そして5月1日より白部前院長の後任として院長を拝命いたしました。どうぞよろしくお願い申し上げます。私は昭和51年に新潟大学医学部を卒業後、東京大学脳神経外科に入局し、東大病院をはじめ警察病院、関東逓信病院などで多くの症例と厳しい研鑽を積んでまいりました。その後、米国大学で航空学を学び、リスクマネジメントやヒューマンエラー防止のためのチェックリストの概念を習得し、医療安全に応用してきました。脳外科専門医取得後は、東大実験病理学教室で遺伝子研究に携わり、医療における「コンタミネーション(混入)」の概念を深く理解し、事象の真偽を見極める視点を養いました。また、北海道の病院では自家麻酔下で脳腫瘍や脳動脈瘤の手術を一人で行い、「石橋を叩いて渡らない」ほどの徹底したリスク回避手術を確立しました。頭蓋底腫瘍については慶應大学河瀬教授のもとで6年間カダバー手術を経験し、脳下垂体腫瘍の内視鏡手術は慈恵医大石井准教授から学びました。さらに、頸動脈ステント留置術や脳動脈瘤コイル塞栓術、ステントリトリーバーによる血栓回収など、国内導入前の最新治療を海外で経験し、日本での普及に携わってきました。

脳神経外科領域は今後、開頭クリッピング術からロボティック手術へと大きく進化していく時代を迎えます。脳腫瘍手術においても、ナビゲーション情報が顕微鏡視野に統合され、神経線維を可視化しながら腫瘍のみを安全に摘出できる技術が実現しつつあります。皆野病院でも、東上理事長のご支援のもと最新の医療機器を導入し、地域の皆さまに高度で安全な医療を提供できる体制を整えてまいります。しかし、最先端の医療は医師一人では決して成し得ません。ともに働くスタッフ一人ひとりの力が不可欠です。私は、「この病院で働いてよかった」と心から思える職場づくりこそ、最良の医療を生む土台であると考えています。スタッフが幸せに働ける環境を整え、チームとして一つになり、患者さんの期待に応えられる病院を皆さまと共に築いていきたいと思います。今後とも皆野病院へのご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。