私は、このたび、2024年1月1日付で院長に就任させていただきました白部多可史です。1981年に慶應義塾大学を卒業し同大学外科学教室に入局し、消化器外科、内視鏡外科を中心に長く、一線の外科医として仕事をして参りました。当院は地元の病院誘致運動に応えて2000年12月に徳洲会初代理事長徳田虎雄が150床で開院し今日に至っております。徳洲会の理念である救急患者を断らない病院を目指して初代院長山下芳朗、前院長若山昌彦を先頭に、職員一同鋭意努力して地域医療に貢献して参りました。不肖ではありますが、私も先人の精神を引き継ぎ、これまでの努力を無駄にしないように懸命に務めさせていただく所存ですので、皆様の変わらぬ御支援を賜りますようお願いいたします。

救急体制について

皆野町を含む秩父地域は観光地として多くの方が訪れる風光明媚で歴史のある地域です。 しかしながら、人口密度は低いためか、秩父郡には三次救急医療機関はなく、高度救急医療に関しては近隣市町村にある県立病院や大学病院に頼らざるを得ない状況です。我々も あらゆる患者さんに最先端の医療を提供できる病院であるなどと思いあがっている訳ではありません。ではなぜ、徳洲会は、年中無休・24時間オープン・救急患者を断らないことを目標に掲げているのか? 現実には、最初から三次救急医療機関に搬送されていれば助かった可能性がある患者さんが二次救急医療機関に搬送されたために救命できなかったというケースは起こりうると思います。しかし、二次医療機関に受け入れを要請するか、いきなり三次医療機関に要請するのかを判断しているのは救急隊/救急救命士です。一見、重篤な状態には思えない重篤な患者さんも珍しくないですし、病院到着後に急に状態が悪化するケースもありますので、どんなに熟練した救命士であっても100%適切な受け入れ医療機関を決定することは不可能です。また、三次医療機関に搬送したくても救急隊からの情報だけでは断られるケースも珍しくないため、二次救急で対応できないような患者さんが搬送されてくる可能性は否定できません。しかし、その時に対応できないかもしれないので断るという選択をする病院が多ければ「救急患者のたらい回し」という事態が生じます。であれば、先ずは診察して対応できなければ受け入れ先を病院で探すという方法が、一番患者さんのためになると考えて「断らない救急」を徳洲会は目指しているのだと思っています。こう書いてくると全ての救急患者さんを三次救急医療機関に搬送すればよいと思われる方もいらっしゃると思いますが、救急搬送患者の7割から8割は入院治療も必要ない状態で、実際に三次医療機関でないと治療できないようなケースは数パーセントに満たない状況では全員を三次医療機関に搬送したりすれば、あっという間に三次医療機関の機能は麻痺してしまいます。手前味噌な話ですが、三次救急医療機関でありながら軽症患者を含めてすべての救急患者に対応しているのは全国で数か所の徳洲会の基幹病院だけではないでしょうか? われわれは徳洲会の中では小さな病院でできないことも沢山ありますが、少しずつでも対応できる範囲を広げて、救急医療機関として一歩ずつ向上していきたいと考えています。

私の専門領域に関して

消化器外科領域全般にわたって長く研鑽を積んで参りましたが、特に内視鏡外科領域に関しては、完全腹腔鏡下の肝後区域切除術、肝左葉切除術、膵体尾部/脾臓合併切除を伴う胃全摘術など本邦初の術式をいくつか発表してきました ( その功績により2023年度より日本内視鏡外科学会の特別会員を拝命しています)。また、他院で腹腔鏡手術では困難なので開腹手術でと言われた患者さんの腹腔鏡下手術も数多く手がけてきました。
皆野病院におきましても安全で低侵襲な内視鏡外科手術により患者さんの早期退院/早期社会復帰を実現できるように積極的に取り組んでいきたいと考えておりますのでよろしくお願いいたします。

最後に

最後までお読みいただき、ありがとうございます。皆野病院は、これからも地域の皆様に信頼され、頼りにされる病院を目指して、職員一同、研鑽/努力を重ねていきたいと思います。そのためには、皆様の温かい御支援とともに率直な御意見を聞かせて頂くことが必要です。病院には投書箱を用意しておりますので、受診された際には忌憚のない御意見や御指摘を賜ることが出来ましたら幸いです。皆様の声を羅針盤として、真に地域に貢献できる病院を作っていきたいと思います。